INIAD の公認演劇サークルである INIActors(イニアクターズ)が、INIAD-FES にて上演された作品、"Back to Zero" のアーカイブ企画(11/28~12/4)を現在行なっているそうです。
今回、そのアーカイブ企画を担当している INIActors の広報担当者へのインタビューを敢行しました。その模様をお届けいたします。
作品愛に溢れたトークをお楽しみください。
本記事は、INIAD-FES実行委員会のnote記事(リンク)を参考にさせて頂きました。
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広報担当(ぺったんさん)プロフィール
- 2 年 シビルシステムコース所属
- 2021 年から INIActors の広報を担当
- 好きな動物は白いポメラニアン
発展的な内容が求められた特設サイト開発 ─ 広報活動秘話
── まず、学祭公演でぺったんさんはどのようなことをやられていたのか、教えてください!
今回の公演に関しては告知に用いる各 SNS の運用や、劇のロゴデザイン、メインビジュアルと特設サイトに関しても少し担当しましたね。
── なるほど、ロゴデザインとかも広報でやられているんですね。
はい、がんばりました!
── 去年から広報を担当されていると思うんですけど、今年は特にここをがんばった!というところとかはありますか?
今年は昨年の反省を活かして、我々自身が情報を発信できるように、初めて特設サイトを作りました。
そのサイトを作るのがとっても大変で。
例えば、授業でサイトを 1 から作るとかになったら、その授業の資料を見て進めれば良いってそれだけなんですけど、今回のは完全に私たち自身がやろうということになったので、いわば発展的な内容を求められてました。
サイト作成に関する授業のスライドを見たり、自分でも色々調べたりなど、自分で考えながらやったのですごく発展的な学習になりました。
また、私が所属するシビルシステムコースではあまりプログラミングなどにあまり触れないので、私自身にとってすっごく大変なことでした。
── なるほど、じゃあこれでもう(サイト作成が)マスターできた感じですか?
それはちょっと結構厳しいものがあって……(笑)。
まあ、同じ広報の先輩だったり友だちだったりに助けてもらいながらやったという感じですね。
── そうだったんですね。そうやってあの特設サイトは作られていったんですね。
学祭公演 "Back to Zero" の内容について
── 現在、今回の公演 ”Back to Zero” のアーカイブ企画が絶賛開催中とのことなんですが、そもそもこの作品はどういったものになっているんでしょうか?
今作のキャッチコピーとして、「平成 vs 令和」というもの掲げてまして、技術がすごく進んだ令和の日本を舞台にしています。その急速な技術革新故に生まれてしまった格差という問題があって、それに対し 「平成回帰軍」 というカッコイイ人間たちが立ち上がるんですよ。平成回帰軍というのは、生まれてしまった格差を無くそうと、平成の時代への回帰を志す人たちのことですね。令和側の人間と平成回帰軍が、お互いの正義を持ちながらぶつかり合うようなストーリーになっています。
── つまり、平成側の人たちと令和側の技術革新を遂げた人たちとの間の「情報格差」、現代にも通ずるようなテーマが根底としてあるわけですね。
はい、そうですね。
しかも、この話のめちゃめちゃ良いところがあって……。
やっぱりこう、我々今、実際にガラケーからスマホになって、技術革新ですごく便利になって良いことだらけで、やっぱり令和側の人間が正しいんじゃないかって、まあ普通は思うと思うんですけど……。
でも、この作品で描かれている平成回帰軍というのは必ずしもすごい悪人っていうわけではないんです。
彼らも彼らの正義を持っているし、実際に劇をご覧になっていただれれば絶対彼らの事情もわかるので絶対悪ではないんですね、平成回帰軍というのは。
そこがこの話のすっごく深いところで、本当にこれは私広報やってて個人的な感想なんですけど、なんか平成回帰軍のオタクが一番多い気がします。(個人的な意見です)
── なるほど。正義 vs 正義みたいな一番熱い展開のやつ(笑)。
そうです!
だから、彼らの結末が一体どうなるのかっていうのは是非見ていただきたいなと強く思っています。お願いします!
── (笑)ありがとうございます。多分、読者の方に伝わったと思います。
「私の推しは嶺二」 ─ 広報担当のさらなる深い作品愛に迫る
ちなみに、私の推しは「嶺二(れいじ)」というキャラクターなんですけど、彼は苦労人で、家がすごい貧乏だったのにもかかわらず、勉強して本作で描かれているエリート校に転校しているんです。
普通、そこに入学するには整った環境で勉強する必要があると思うんです。例えば塾に行ったり、良い参考書を買ったりとか……。
── 確かに。教育に対するお金が結構かかりますね。
でも、嶺二はそういうお金に関する援助が一切なかったわけですね。なんかこういう時に使う四字熟語があったと思うんですけど……。
── 「蛍雪之功」でしょうか…?
それです!まさにその四字熟語のように、貧しい環境でも立ち上がる強い子なんですね。それを経て、エリート校に転校した彼が本作で何を成し遂げるのか、ここに皆さん注目してみてほしいです!
お願いします……!(懇願)
── とても熱いコメント、ありがとうございます!(笑)
アーカイブ企画が立ち上がった経緯
── ちなみに、今回のアーカイブ企画というのは、どのような経緯で行うことになったのでしょうか?
今回の学祭での公演時に行なったアンケートを見ると、今作はすごく評判が良くて、アーカイブが欲しいというコメントをたくさん頂いたんですね。ありがたいことに。
だから、その反響に応える形でアーカイブ公開を実施するということが決まったことなんですけど、ただアーカイブを公開するというのは、やはりつまらないなと思いまして……。
もっとより多くの人に今作 "Back to Zero" を知ってもらいたいなと思いまして、アーカイブ公開と付随する形で色々な企画(裏ホームページの開設など)を立案していったという形ですね。
── なるほど。本当にお客さん反響が多くて決めたという感じなんですね。
そうですね。
まあ私自身も先ほど熱く語ったように、(今作に)すごいハマってしまって……。
これだけの反響があるなら、コンテンツをもっと供給すれば皆さんに今作のことを知っていただけますし、私としてもみんなに知っていただきたかったという思いがあるので、その 2 つの思いが合わさった結果が今回のアーカイブ企画ということになりますね。
── 広報自身が作品自体のオタクだと強いですね(笑)。
そうですね。
INIActors 広報がオタクじゃなきゃいけないという暗黙のルールがあるんじゃないかという状態になっていて……(笑)。
アーカイブの資料を内部で残してあるんですけど、それを何度も見返して、良い点を脚本担当に伝えたりとか。それを受けて(作品に関して)勉強して、広報の仲間でお互いにオタク力を高めあう謎の状況が生まれてしまうみたいな(笑)。
まあ、それほど我々広報というのは、直接役者として舞台に出てはいなくても、作品にかけている思いというのは役者陣にも劣らないものだと考えています。
── なんか広報チームの連帯感が強そうですね。
INIActors 広報チームについて
あっ、これちょっとどうしても言いたいんですけど、INIActors 広報ってとても温かいんですよ。
これは私の経験からなんですよ。ただでさえ同年代のチーム実習とかでも大変だと思うんですけど、(広報の場合は)先輩や後輩とも連携しなくてはいけないということで。
最初は私もすっごい緊張して、もうどうしよう…みたいな。話すのも正直すごい嫌で…。怖がってしまっていたんですよ。
それで最初の頃はどうなるかなってすごい心配だったことが多かったんですけど……(笑)。
先輩に優しく教えていただくこともあったり、仲間に支えてもらうことがあったりで、今ではたくさんの冗談を言い合ったりしながら仕事を進めていっています。
それで仲良くなったおかげで、「報・連・相」とかがしやすくなって、(今回は)今まで以上のクオリティというか、そんな広報を皆さんにお届けできているのではないかなと思います。
INIActors 広報はすごく温かくて良い職場なので、本当に是非!って感じですね!
── 良い職場(笑)。外部の人間からすると、その広報などの裏方が実際どうなっているのかよくわからない部分なので、そんな感じなんだぁという感想です。
今作の脚本を担当した元サークル長が言っていたことなんですけど、役者だけでなく、音響だったり背景、我々広報が一つになって一つの劇を作り上げているんですよね。
だから、我々広報も INIActors のことや作品のことをいっぱい発信して、みんなで一緒に劇を作り上げるという意志で毎日頑張って取り組んでいます。
── 非常に連携していますね。まさに、情報連携学部って感じですね。
そうですね。いやぁ、学部長も喜んでくださると良いですけどねぇ〜!(笑)
初めて自分で立ち上げた広報企画、同時視聴会
── ぺったんさんが本作を好きすぎて、ある広報企画を立ち上げたという情報を事前にキャッチしているんですけども……
(笑)
── その企画に関して、少し伺っても良いですか?
はい、わかりました!
先ほども話したんですけど、今回のアーカイブ企画が立ち上がったのは皆さんの声と私たち広報自身の思い、この 2 つが合わさったことによるものなんですね。
その企画の内の、我々自身の思いによって発足した企画の一つが(私が立ち上げた)同時視聴会というものになります。
それで、なぜこれを立ち上げたかというと、私が個人的によくやっていたからなんですよ。
例えば何かしらのアニメが YouTube でプレミア公開時に、一つのハッシュタグで感想をつけてつぶやく、それを私の Twitter のフォロワーさん達とやったということがあったんですよ。
それを今回の "Back to Zero" でも出来ないかな?と考えまして……。
── 確かに、同時視聴会の文化って色々な界隈でありますよね。
そうなんです。
その、劇っていうのは静かに観劇しないといけないと。これは当たり前なんですけど、その当たり前をちょっと壊してみたいっていうか、今回の劇を観て、みんなそれぞれ思ったことが色々あったと思うんです。でも、それは周りの人間と共有できないとすごく寂しいことなので……。
私自身ももっと推しのことを語りたいので……(笑)。
「ここみて!」「あっ、ここのシーン最高!」っていうのを伝えたいというのが理由の一つです。
もう一つの理由としては、当日 2 日間の学祭で合計 4 回公演を行ったんですけど、それでもやはり学祭実行委員の方とかが忙しくて見れなかったという声や、そもそもちょっと(学祭自体に)行けなかったんだ…みたいなお声をたくさんいただいたんですよ。
── 各出展団体で忙しいという方もいらっしゃいますもんね……
だから、そういう方々にも観ていただける、それで尚且つ盛り上がっていただけるように、この企画を立ち上げましたね。勝手に、勝手に…はい!
企画の立ち上げで得られた成長
── そのような一人のアイデアでも、広報全体が動けるような雰囲気なんですね。
企画を思いついた時は勢いだけでバーって企画書を書いて、それを広報の皆に共有したんですけど……。
送った最初の頃はすごく緊張して、自分が組織を動かすという経験が中々無いことなんですね、まだ我々学生ですし。
その、本当にどうしようかな…みたいな。人の上に立つことがなかなか私にはできなくて、いつも誰かに言われて仕事をこなすっていうのが普通だったので……。
今回のこの企画の立ち上げで、先輩方やみんなが動いてくれてっていう、この経験自体がすごくためになりました。
── おぉー。自分でもすごい成長したって感じですか?
そうですね、人間として。
企画を考えて言うっていうことが、こんなにも大変なことなんだなって勉強になりましたね、私自身。
── なんかすごい立派に見えますね!
ありがとうございます(笑)。
作品の推しポイント
── 作品に関しての話題に戻るんですけども、先ほど嶺二推しということは伺ったんですが、それ以外の作品全体を俯瞰してみた時の推しポイントを一つ挙げるとしたら、何でしょうか?
それ以外だとですねぇ…。
やっぱりまあ、嶺二くんの動き 1 つ 1 つ、その嶺二くんを演じてるのが、さとる先輩っていう我らが元サークル長で、中学の頃から演劇経験があって、すごい演技が上手な方なんですよ。
その彼自身もすごい嶺二について細かく考えて、細かく演技をしてるっていうとこなので、そこの一挙手一投足をぜひ観ていただきたいと思います。
それでもう一つのポイントとして、今回の劇は初心者の方がたくさん出ているんですね。
もう、昨年の秋から入会してくれた方達が出てて、演劇経験者にも劣らないような素敵なカッコイイ演技をしています。
その中で私が注目して欲しいのが、「蛉(とんぼ)」を演じた立花さんですね。彼の成長が本当にすごくって。
本当に演劇未経験で入ってくれて、春頃の新歓(INIAD meets Web)にも出てくれたんですけど、その時は彼自身も慣れてない感じだったのもあって、先輩から指摘を受けることも多かったという話を聞いていたんです。
ですが、今回の劇ではすごく彼自身成長していまして、状況に応じてその蛉っていうキャラクターのことをすごく彼自身考えて、キャラクターがするような行動を演出家などからも指示されずに色々やってくれているんですよ。その細かい所作が演出家からも絶賛されていまして。
身振りとかの演技が自然で且つカッコよく、その言動の一つ一つもキャラクターのことを考えてうまく落とし込んでるとということで、その蛉を演じた立花さんに是非注目して欲しいなと思っております。
── 私も拝見させていただいたんですけど、確かに蛉役の方のセリフを発していない時の細かな所作とかが、本当に演劇初心者ですか?って感じですよね。
そうですね!カッコよかったです。推しです。
平成回帰軍にいるので、是非!
── それでは最後に、何か読者に対して一言、とかありますでしょうか?
そうですね。
インタビューが公開される日(12/2)の翌日に、先ほども話した同時視聴会が行われます。
12 月 3 日土曜日の午後 10 時から予定しておりまして、 INIActors の公式 YouTube アカウントがあるのですが、そこでプレミア公開という形で配信させていただく予定になっております。
まあそのプレミア配信をご覧いただくというのもありますが、私たち広報として是非お願いしたいことが、専用のハッシュタグを使って欲しいなっていうことです。
専用のハッシュタグ、#平成回帰軍 というものがありますので、そちらのハッシュタグを用いて、「ここかっこいい!」とか「初めて見たけど良かった〜!」みたいな軽い心の声でも全然構いませんので、そういったアンケートに書く程のことでも無いような小さな心の揺らぎを Twitter で投稿して欲しいですね。
── まさに、つぶやきですね。
そうですね。
ぜひ、#平成回帰軍 を用いてつぶやいて欲しいです!
我々広報自身も、皆様に小さな喜びからお届けできるように日々頑張っておりますので、是非是非参加していただけると大変嬉しいです。
よろしくお願いします!
── インタビューを受けていただき、ありがとうございました!