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アーティスト職で就職する私の就活体験記

  • 2022年03月03日 13時00分
  • Kazuki_G_Takeda
  • あいりす


ゲーム会社の大手パブリッシャーでテクニカルアーティストとして内定が取れましたので、どのように就活を行ったかを、後悔したことも含めて残します。
デザイナー職・アーティスト職だったら基本当てはまると思います。

大前提として私がここに書いていることが就活の全てではありませんので、複数の情報を参考にしてください。
この記事ではあくまでも私が感じたことを共有しています。

目次

  • 就活の流れ
  • 心構え
  • 1年生の内からやった事・やっておくべきだった事
  • インターン
  • ポートフォリオ
  • エントリーシート
  • 適性検査
  • 面接
  • その他気を付けたこと
  • 最後に

就活の流れ

私は早期選考で決まりましたが、以下のような流れで就活を進めました。

2年11月:インターン
3年6月:夏インターン
3年11月~1月:冬インターン
3年1月:早期選考
3年3月:本選考
4年10月:内定式

心構え


まず就職を考える以前に、デザイナーとしての心構えを自分の中で作っておいて、自分で設定した心構えに沿っているか確認しながら制作しました。
これは人それぞれ違うと思うので例として私の心構えを書きます。

満足しない

常に追加したり、改善する箇所はあるので、人に褒められても満足しないことにしています。
なぜなら満足してしまうと、その作品はそれ以上成長しないからです。
このような考えを持っていれば改善点が多く出てきても挫けず続けることが出来ます。

一度決めた世界観やコンセプトを壊さない

会社ではシナリオやコンセプトアートを描くのは自分ではない事が多いと思います。
世界観とか雰囲気とか文化を壊さず、ゲームとして適切な形にビジュアライズして、それを基にユーザー体験を向上させるということです。
個人制作でもこの軸を壊してしまうと、一貫性がなく、しまりが悪くなります。

こうゆう考えは構造保存強化とも言われているらしいです。

自分の目だけで判断しない

まずリファレンスを集めるのも、ネットで自分で検索した情報だけを頼りにしないようにしています。
外に出て美術館や森やナイトクラブなど、感動出来る場所にふらっと行ってみて、そこで得た体験を心に染み込ませると自然とアイデアが出てきます。

自分のビビットな感性を大切に育むようにしました。

例えば3DCGのライティングでは結局現実の光が一番美しいと感じることが多いので、その性質を理解して、再現して、そのベースを保ちながら、世界観に合わせて調整するようにしています。

主観だけで良し悪しを決めず、必ず人に見せていっぱいダメ出しを貰うようにしました。

えり好みしない

一つここは誰にも負けないというものを持つのも非常に重要ですが、会社では幅広いことが出来ることを求められる場合があります。

例えば、可愛くてシンプルなデザインしか出来ない、ダークでゴシックなデザインしか出来ないというよりは両方出来た方が有利です。
ただ、中途半端に作っても意味がないので、自分の興味ない世界観だから妥協して作るよりは、自分の好きな世界を最大限の力で作った方が武器になります。

インプットもえり好みせず、多くのことを経験しておいたので、案外、それが活きました。

1年生の内からやった事・やっておくべきだった事


私は就活を早い時期から始めたので、スムーズにいきました。
大学で遊ぶことが出来ず、つらいこともありましたが、以下の事を1年生の内からやっていてよかったと思います。

授業以外で制作する

アーティスト職に限ってしまうかもしれませんが、授業だけでは不十分でした。
美大や専門学校で1年生で勉強することを、この学部では2年生の時に勉強するので、特に画力や制作物のクオリティでどうしても負けてしまいます。
人気の業界ほどこれが顕著なので、遊んでばかりだった私は、不安と焦りに追われながら制作し続けました。
私の場合は危機感が原動力になっていました。

学部長が言っている通り、大学は学ぶところなので、自分の興味のある分野を自分で見つけて、今のうちに勉強しておくようにしました。

大学生の内に勉強の仕方、研究の仕方を身につけておくと、仕事を始めてから勉強し研究し続けることが出来て、成長し続けることができます。

そして、学部などのコミュニティ内だけではなく、公の場にパブリッシュしたことが一番いい経験になりました。
パブリッシュする作品と、自己満足だけで終わる作品では大きく体験が変わりますし、自分の一番の強みになりました。

授業以外で頑張りすぎて単位を落としたら元も子もないですが...

ポートフォリオを作る

ポートフォリオは早くて2年生の秋頃から必要になってきますが、その時になってポートフォリオを作るのは労力がかかります。
どうしても制作した時の頑張ったところや、大変だったことや、そこで得た体験を思い出すのは難しいです。

1年生の内から、一つ作品が出来たらポートフォリオとしてまとめて、次の作品を作るという事を繰り返すと、人に見せるためのプレゼン力が培われるのは勿論、次の作品のクオリティも上がると思います。

これが出来なかったのが私の一番の後悔です。

複数人と同時に話すことに慣れる

面接やインターンでは一対一で行われることは私はありませんでした。
人事の方だけではなく、貫禄が凄い開発者やアートディレクター3人対自分1人という状況になったので心臓がバクバクでした。
就活の時期になっていきなり慣れるというのも無理があるので、早い段階から訓練しました。

面接練習は一度も行いませんでしたが、例えば、サークルで役職を貰ったり、接客や電話をよくするバイトをやってみたり、あえて苦手な事に挑戦しました。
その姿勢は面接官にも好印象でした。

業界研究

個人的に、大手に入るなら就活の時期になって業界研究するのは遅いと思います。
私は大学に入る前から業界を絞っていたので、それに向けて集中することが出来ました。
ネットにいっぱい業界のことが載っているので、ワークフローや、「どの様な心構えを持つべきか」などを調べました。

企業研究・職種研究は3年夏のインターンの時期とかにやりました。

インターン

短期のインターンは大きく分けて3回あります。長期インターンは経験したことがないので私は何とも言えません。

インターン(2年生秋)

この時期からポートフォリオが必要になってきます。
この時期のインターンは参加できませんでしたが、応募はしたので、ポートフォリオとして自分の作品をまとめる、初めての機会になりました。

インターン(3年生夏)

これから就活が本格的に始まっていくんだというマインドセットのためにも積極的に応募し、参加しました。

ここで自分の行きたい業界を決める為にも、興味がある会社は片っ端からエントリーしました。
その中で、この会社はどの様な人が求められているのか、どの様な人が合っているのかを知ることが目的でした。

抽選の企業も多く、数十社応募して1,2社通るかどうかなので、通らなくても、あまり落ち込まないようにしました。

インターン(3年生冬)

早期選考で内定を決めたいならこのインターンは超重要です。
なので冬のインターンまでにはポートフォリオを完成させました。

自分の顔を覚えてもらう、いいチャンスです。
特にポートフォリオアドバイス会は現場の開発者たちが中身の作品の評価も含めて、アドバイスしてくれるので物凄い為になります。
ここで言われた改善点を直してから、選考に挑むと「この人はちゃんと言われたことをやる人だな」という印象を与えることができます。

このインターンに参加したら、会社側から早期選考の案内が来るので、自分のレベルが足りないなと感じる人でもチャンスになります。
12月のポートフォリオアドバイス会で上がった、多くの改善点を、1月中旬までに全てこなせるようにしました。

この時点でポートフォリオが完成するので、あとはエントリーシートと面接だけに集中することが出来ました。

ポートフォリオ

ポートフォリオを作る目的

自分が一番得意なことを制作のプロセスを見せながら、採用担当の人に理解してもらう必要があります。
面接で言葉だけで説明しても、どれだけ頑張ったかは伝わらないです。
ポートフォリオの作り方に関しては、その業界の技術雑誌をマネしました。
私はCG Worldや海外のFantasy Magazineを参考にしました。

作品数・ページ数・サイズ

私は10個ほど作品を掲載しましたが、オリジナル作品が最低3つあればいいと思いました。
その中で一つでも一般公開したものや、コンペに出したものがあると有利です。

その3つは時間やリソースをどれだけ使ってもいいので、自分の力をふり絞ったものにしました。
それぞれ作風も変えて幅広さをアピールしました。

二次創作は選考に影響しないと言われ、あんまり載せる意味がないので載せませんでした。

ページ数は自分の書きたいことが書けるなら何ページでもいいと私は言われました。ただ、データサイズは10MB以内という指定はありました。

最近はWebで提出することが多いので、サイズも何でも良いのですが、印刷して渡す場合があるので1ページA4になるように、A3で作っておきました。

必要な項目

それぞれの作品ごとに以下の説明を付けました。
プロダクトデザインやWebデザインだと少し変わってきますが、大体同じだと思います。

  • コンセプト
  • 制作期間・制作時期
  • 使用ソフト(アイコンだけではなくソフト名も)
  • スケジュール(具体的に)
  • リファレンス
  • 使用したアセット、リソース
  • 作品の全体図とアップで見た図
  • 特に頑張ったところ【重要】
  • 3DCGだったら
    • ポリゴン数(幾らでもあってもいい)
    • ワイヤーフレーム
    • プロップ
    • モデリング
    • テクスチャリング
    • ライティング
    • コンポージング
    • ポストプロセス

ワークフローに沿ってこだわった部分を書くと分かりやすくなります。
映像作品はページにリンクを貼って、Youtubeに飛べるようにしました。
成長の過程が分かるように、初期の作品や、プロトタイプも載せました。

あるといい要素

以下の要素は必須ではありませんが、あるとかっこよくなります。

  • 表紙
  • 扉絵
  • 目次
  • ページ番号
  • 自分のロゴ、アイコン
  • プロフィール

参考までに私のポートフォリオを置いておきます。
https://drive.google.com/file/d/1qSimspHUWoUytoPqEG_GFfQde3W5jQEe/view?usp=sharing

エントリーシート


企業によってフォーマットはバラバラですが、以下の項目についてそれぞれ400文字くらい用意しました。

  • 研究・ゼミについて(まだやってない場合は一番興味がある分野について)
  • 趣味や特技
  • 会社に応募した理由
  • 開発に関わってみたい会社のコンテンツ
  • 好きなゲーム・商品・サイト・コンテンツ(業界によって変わる)
  • 嫌いなゲーム・商品・サイト・コンテンツ(業界によって変わる)
  • 制作またはクリエイティブな事項に関する情報収集や技術の取り組みについて
  • 集団活動経験の中で、アピールできるエピソード(取り組み、役割、成果)
  • 自分が経験した最も困難な局面、どうやって打開したか
  • これまでの人生において、最も情熱を傾けた対象
  • 関心のあるデザイン業務
  • 「関心のあるデザイン業務」をもとに、具体的にどのような仕事をしたいか
  • その業界への想い
  • 就職先を決定するうえで、一番重要視していること

自分が何故現在その職種に情熱を注いでいるのか、原体験を書きました。
自分が大学生になる前にずっと遊んでて至らなかった点や、悔しかった点とかを、腹くくって正直に書いたので、それが逆に好印象になりました。

就活は自慢大会ではないので、実績を並べるよりは、どのようにその実績を得たのか、なぜそれが出来たのか、それがどう仕事に繋がるか、自分のアートスタイルは会社と合っているか含めて書くようにしました。

適性検査

私は性格検査だけでしたので、特に対策はしていません。
これも業界によって重要度が変わってくると思います。

面接


一般的にゲーム業界では、一次面接と二次面接は人事と開発者が面接官になることが多く、最終面接は経営者が面接官になることが多いらしいです。
私は一次面接と二次面接だけでした。
デザイナーでも企画職寄りの人はグループ面接になることがありますので、別の記事も参考にしてください。

一次面接と二次面接も聞かれることはほぼ同じでしたが、二次面接の方が実際働くことを想定して、より深く聞かれました。

実際に働くことを想定して、面接官の名前を覚えておいて、インターンでのアドバイスや、一次面接で言われたことを二次面接で話すようにしました。

台本

以下の項目に対してそれぞれ3分くらいエピソードトークが出来るように6000文字くらいの台本を作りました。
エントリーシートと内容がかぶってても全然OKなので、会社の経営理念に沿うように注意して書きました。

  • 自己紹介
    • 高校の部活について
    • 大学の勉強について
    • 大学のサークルについて
    • 制作歴はどれくらいか
  • 長所
    • 何が得意か
    • 誰にも負けない点は?
    • どう仕事に活かすか
  • 短所
    • 自分の短所についてどう思うか
  • 周りの人からよく何と言われるか
  • 志望動機(御社で何がしたいか)
    • 御社の魅力
    • どの様に勉強したいか
    • どの様に貢献できるか
  • なぜその業界を選んだのか
  • なぜその職種を選んだのか
  • 自分がチャレンジして成長できたと感じた出来事を3つ
  • 制作で気を付けていること
  • キャリアプラン
    • 3年後、5年後、10年後どうなっていたいか
    • 会社は学校じゃないので勉強したいだけでは不十分です
  • 人生の目標
  • つらかったこと
  • 研究について
    • 始まっていない場合は興味のあることについて
  • 大学を選んだ理由
  • 次に自分が作ってみたいもの
  • どういったゲーム・商品・サイト・コンテンツが好きか
  • どういったゲーム・商品・サイト・コンテンツが嫌いか
  • 上記で書いた好きなものの、一か所を改善する場合、何を改善するか
  • 自分と志望する会社のゲーム・商品・サイト・コンテンツとの関わり方
  • 今後業界はどうなっていくと思うか
  • チームで何かやり遂げたことはあるか
  • 尊敬してる人

逆質問

逆質問を事前に考えておくのも重要です。
3つくらいしか質問できる時間がないので、その場の雰囲気で以下から選ぶようにしました。

  • 入社までに磨いた方がいいこと。やっておくべき事
  • 仕事をする上で、気を付けた方が良いことや、心構え
  • 入社したら最初の仕事は、どのような内容になるか
  • 自分と同世代の人はどのようなスキルを持っているか
  • どれくらいの期間や準備段階を経てチームに合流するか
  • ガイダンスはいつ頃か

以下のような逆質問はNGだと頭の中に入れておきました。

  • 特にありません。(興味がないと思われます)
  • 残業や福利厚生について
  • 経営理念など調べれば分かること
  • 自分の面接は良かったかどうか(合否として結果が出るから)

頭をクリアに

しっかりした台本があっても、以下のような予想できない質問が来ることがありました。

  • あなたを車種で例えると何ですか?
  • あなたをアクションRPGで例えてください
  • プログラミングの関数が分からない人に関数を説明してください

このような質問が来たら一瞬頭が真っ白になりますが、冷静に対処できるように頭をスッキリさせておきました。
直前までテクノとかドラムンベースを聴いて気持ちを落ち着かせていました。

その他気を付けたこと

無駄な就活エージェントは利用しない

マイナビ、リクナビ、クリ博ナビなどを利用するのは、有用なのでおすすめします。

しかし、詳しいサイト名は伏せますが、上記のサイト以外に登録する際は注意しました。
何の興味もない、自分の行きたい分野じゃない説明会やインターンのアポを何個も無理やり取らさせてくるかもしれないですし、毎日営業の電話がかかってくるようになる恐れがあるからです。

メールを毎日確認する

大切な情報を見逃すと本当に痛いのでメールを毎日確認することを習慣づけました。
メールを確認しない人は社会で生きていけないと思います。

いいウェブカメラとマイクを買う

面接もインターンも最近はWebが多いです。
私の場合は就活で一度も家から出てません。

ウェブカメとマイクはスーツ以上に重要になりますので、良いものを買いました。

スーツについて

インターンも面接も全て私服でいいと言われるので、個人的にデザイナー職ならフォーマルなスーツは必要ないと思います。

しかし、ちゃんとした場ではあるので、私服と言われたらカジュアルスーツを着るようにしています。
GUで7000円くらいで上下セットのカジュアルスーツが買えるのでおすすめです。

最後に


就活は会社との相性が全てと言われるほどです。
私は大手の内定を貰えても、スマホゲームのデベロッパー会社は書類選考で落ちてしまいました。

企業はその人がいかにレベルが高いかを見ているのではなく、その人が会社に合っているかどうかを見ています。
自分のレベルが低いと思って不安になって焦る気持ちは就活において結構良いことだと思いますが、選考が通らなくても落ち込まないようにしました。
いちいち落ち込んでたら、冬のインターン等の貴重な機会を逃してしまいます。

いつの間にか選考期間が過ぎていたみたいなことも多々あるので、早めの対策をすると楽に就職することが出来ます。

現状に満足せず、より良い人生に向かって戦い続ければ必ずいい結果が待ってます。

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